Shore, D. I., Gray, K., Spry, E., & Spence, C. (2005). Spatial modulation of tactile temporal-order judgments. Perception, 34(10), 1251–62.

原文

Abstract

  • 我々は、ここで、触覚の時間処理における姿勢の影響を検討するためにデザインされた3つの一連の実験について報告する。
  • 被験者は、光を閉ざした状況で、<hands-close>(両手が隣接した条件)あるいは<hands-far>(両手は1m離れた条件)のいずれかの条件において、左右の人差し指(実験3では親指)に呈示された触覚刺激のうちのどちらが先に感知したかを報告する。
  • Just-noticeable difference (JND:丁度可知差異)は、実験1-3を通して、<hands-far>で有意に低い水準を示した(すなわち、両手が離れているほど識別能力が高い)。
  • 実験1-2において、それぞれ手と足による応答方法がとられ、等しく<hands-far>における識別優位性がみられた。
  • 実験3では、刺激は左右の手に刺激を与える際、一方では同じ指を他方では異なる指(親指か人差し指)に刺激を与えたところ、同一の指に刺激を与えたときにのみ<hands-far>の識別優位性が確認された。
  • (識別される2点の身体部位間の)距離が増大するほどに時間的精度が改善されると言う結果は、TOJにおけるattention-switching model(注意遷移モデル?)に基づく予測とは矛盾する。さらに、視覚などの他のモダリティーにおける類似の実験的操作から得られる結果とも矛盾している。
  • 以上の結果は、皮膚中心の参照系(skin-centered reference frame)からより外部の参照系(身体中心あるいは他者中心)への高速で自動的な変換プロセスを支持するものである。

Figure

Figure 1(<口述→左右のLED発光>による応答)・Figure 2(フッドペダルによる応答)

  • (a) 横軸はSOA<右の指に刺激を与えた時間-左の指に刺激を与えた時間>、縦軸は、右の指が先と感じた割合。
  • (b) <hands-near>と<hands-far>におけるJNDの平均。いずれも、わずかな差(10ms)ではあるが、<hands-far>でJNDが有意に低い。

Figure 3(指の一致・不一致)

  • 左右の指を一致させた場合・不一致の場合のJNDの比較。
  • (same) <hands-far>でJNDが低い結果を再現(統計的にはmarginal)。
  • (different) <hands-close>でJNDが逆に低くなっている(統計的には有意な差が無い)
  • (same-different) 両手が近接している場合、不一致条件と比べて一致条件(同一の指に刺激を与える方)のJNDが高い。つまり、指が一致していると、より混同の度合いが高いということ。これは統計的に有意な水準。

4. Experiment 3

4.3 Discussion(全訳)

  • 我々の最後の実験においても、同一の指(人差し指あるいは親指)が刺激された場合では、先の2つの実験で観測されたTOJの手の分離に関する特性が再現された。 しかしながら、両手の異なる指に刺激が呈示された場合には、TOJが両手が離れた条件で改善されると言う効果は消えるばかりか、実際のところ、(有意差は得られないまでも)むしろ、隣接した条件下よりも悪化しているのである。このように、TOJにおける、手を離すことによる恩恵は、ただ同じ指を刺激した場合にのみ見られるものなのである。
  • 異なる指が刺激されると、(局在的な)体性感覚からより外部空間系の表象への自動的な変換が生じ、そのことによって、たとえ両者の距離が近い場合であっても、皮質上の極めて異なる応答に帰結するのかもしれない。 the automatic transformation from somatotopic to a more environmental representation would still result in two cortical responses that were very different, even when the hands were placed in the close posture.
  • それぞれの手において、近い空間における同一の指が刺激された場合、それぞれの外部空間表象(environmental representation)は極めて近接している。というのも、それらは、空間的に近接しているとともに、指の種類も対応しているためである。
  • 異なる指が刺激された場合、それらの距離が極めて近かったとしても、both <elevation and relevant effector>? would be different. このように、TOJ課題における応答選択を実現する表象は、体性感覚の局在表現と外部空間表現の折衷のなかで構成されるもののようだ。 別の言い方をすれば、体性感覚上で相同的な場所への時間的に近接した連続刺激は、両手が近い位置にあると混同されてしまう(おそらくは、ある段階で、それぞれの神経活動が近接しているためであろう)。
  • 識別成績は、刺激の区別を助けるようなあらゆる操作によって改善する。この中には、両手を離すことが含まれるだろう。 というのも、この操作は、刺激の空間位置を表象する神経経路の分離を帰結するためである。 あるいは、それぞれの手において対応しない異なる指を刺激することも同様である。 というのも、この不一致は、おそらく神経による符号化に関する分離を促進するためである。

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Last-modified: 2014-09-10 (水) 17:53:00 (1169d)