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  • Pavani, F., Rigo, P., & Galfano, G. (2014). From body shadows to bodily attention: automatic orienting of tactile attention driven by cast shadows. Consciousness and Cognition, 29, 56–67. doi:10.1016/j.concog.2014.07.006

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ABSTRACT

  • 身体の影は、注意を影を作っている身体部位へと方向付ける。我々は、この現象の自動性(automaticity)を検証するために、この方向付けに関する時系列と文脈マニピュレーションに対する耐性(resistance to contextual manipulation)について調査した。ターゲットが手に与えられる触覚刺激であるか(実験1)、あるいは、身体の影の近傍の視覚刺激(実験2)のとき、cueing effect(影による手がかり視覚刺激の注意方向付けの影響)は、影の提示(キュー)に対するターゲット提示の遅延(100、600、1200、2400ms)に関わらずに生じた。このことは、影で占められる空間(extra-personal space)と、影を作っている自身の身体空間に関与するような、身体の影に対する高速で持続的な注意の方向定位(attention orienting)を示唆している。一方で、ターゲットが触覚か視覚かランダムに与えられる場合、影による手がかりの効果は、触覚刺激に対してのみロバスト性を持ち、視覚刺激に関しては、影の近傍(実験3)か身体近傍(実験4)のいずれに提示された場合も信頼ある効果を見せなかった。我々は、以上の結果より、身体の影によって強制的に誘起される注意のシフトは、触覚ターゲットに限定されるものであり、視覚刺激に対しての注意シフト(attention shift)の自動性は低減することがわかった。

Introduction(全訳意訳)

  • 影は、何世紀にもわたって、哲学者・研究者・作家を魅了し続けている。近年、影から得られる情報が日常生活における様々な場面で重要な役割を果たしていることを示す証拠が増えており、影に対する神経情報処理に関する研究が認知科学の領域において重要なテーマとなりつつある。今では広く知られているように、影は我々の視覚システムにおいて高速に処理されるものであり、人間、あるいはヒヨコのような動物の物体認識の中で有効に活用されている。加えて、複数の研究は、物体に関するprojected shadowあるいはcast shadow(違いは?)が、物体が動きの有無に関わらず、物体の空間配置を決めるうえで多大な役割を果たしているだけでなく、投影された物体へと向かう(誰の?どんな?)移動のダイナミクスを変調させる影響を有していることを示している。
  • ecologicalな文脈では、影は、環境内にある物体だけでなく自分自身の身体によっても投影される。脳神経画像データの解析によると、身体の各部は、皮質上で、視覚情報における専用の処理ユニットを持っていることが示唆されている。これと同様に、行動学的にも、身体各部は、他の物体と比較して特権的な処理リソースを有していることが報告されている。 Pavani and Castiello(2004)は、これら二つの研究領域を結びつけ、自分の身体から投影された影が、影の刺激のなかでも特別なカテゴリーとして処理されるかどうかという問題を検討した。彼らの推論によると、物体の影と異なり、我々の身体各部から投影された影は、(投影された)身体の内受容・外受容の経験とリンクするような場所に関する情報を有しており、身体の形(body image)や境界(body schema)に関する内部表現の構築に一役買っている。PavaniとCastielloは、<visuo-tactile interference paradigm>を活用し、左右の手から等距離分だけ離れた場所に提示されたタスクと無関係の視覚刺激が、左右の手の一方の影のみと近接した位置にあるような実験セットを構築した。視覚刺激は、触覚刺激のターゲットが影を投影する側の手( の指)に提示されたときに、触覚位置識別タスク(tactile localization task)において、とりわけ強い干渉効果が生じた。この増大する干渉効果は、自然の身体の影に固有のものであり、被験者のはめたグローブによって人工的な多角形の影が投影された場合には生じなかった。PavaniとCatielloは、この増大する視触覚干渉が、現実の身体の影がpersonal spaceとextra-personal spaceをバインドする効果を持つために生じると考えた。
  • PavaniとCastielloの発見は、身体の影が、身体そのものに注意を向けさせる視覚的cueとして働いていた可能性を残していた。この問題は、Galfano and Pavani(2005)によって検討された。彼らは、exogenous spatial cueing paradigmを変形し、手の影を用いて、空間に関する情報を与えない視覚的cueを触覚識別課題と組み合わせた。 被験者は、触覚刺激をいずれかの手の親指か人差し指に予期せぬかたちで与えられ、(手の左右に関わらず)親指か人差し指のどちらに刺激を与えられたかを解答するように指示される。同時に、(側方にある光源によって前方に現れる)触覚刺激のあった手、あるいはそれとは別の手の影を見る。影の左右は、タスクとは完全に無関係である(実際に刺激された手を指す確率はランダム(50%)であるためである)。さらに、被験者は、明示的に、影がタスクを実行する上で何の有用な情報も与えないことを知らされている。それにも関わらず、触覚識別の成績は、影の投影された側の手において有意に高くなった。この結果は、身体のcast shadowsが、それらを投影している身体部位に対する無意識的な方向定位応答(orienting response)を誘発することの証拠と考えられる。重要なことには、手のcast shadowが(身体とは別の)物体の影に取り替えられると、影によって生じる注意の生成はunreliableなものになる。Pavani and Galfano(2007)は、影によって生じる方向定位が、触覚ターゲットが手に提示されたときにのみ生じ、手や影の近くに提示された視覚ターゲットに対しては生じなかったことを示したうえで、この結果をさらに精査した。すなわち、body shadowsは、影がカバーする空間領域に対してではなく、影をつくっている身体部位に対する触覚刺激に対して、とりわけ強い注意を形成するようである。
  • これらの結果は、我々の認知システムが、自分に帰属している身体の影を(resourceをexternal spaceよりもむしろpersonal spaceに割くことで) 強力なattention cueとして扱っていることを示している。一方で、この種の注意方向定位(attentional orienting)がどの程度強制的なものなのかについては不明なままである。本研究では、personal spaceとextra-personal spaceにおける影によって引き起こされる注意の方向付けの自動性についてある仮説を述べている。この目的のために、我々は、(とりわけ空間において注意シフトにおける自律性を記述する際に重要となる)二つの重要な特徴について注目した。はじめに、我々は、これまでに報告されてきたcueing effectsが脳内神経処理の初期に生じるものかどうかを明らかにしたかった。身体の影による注意方向定位の最も注目すべき側面の一つは、この現象が、空間的にnon-predictiveな影の手がかかりが、ターゲットに先んじて長い時間提示されるという事実に関わらず、生じているという事実と関連している。 Galfano and Pavani(2005)and Pavani and Galfano(2007)が報告している全ての実験では、影のオンセットとターゲットのオンセットを分割するthe Stimulus Onset Asynchrony(SOA)は2750msである。重要な点として、認知現象は、脳内神経処理の初期に生じる程度に従うかたちで、自動的であると考えられている。uninformativeでperipheralなcueに対する視覚注意の方向定位は、cueのあとに、100ms程の短いSOA(cue-target)で生じることが知られている。同様の結果は、自動的な注意シフトを誘発すると考えられる別のタイプの空間的手がかり(凝視)に対しても報告されている。このように、仮に、影にドライブされた方向定位が自動性を伴う注意シフトを反映しているとすれば、そのような結果は、かなり短いSOAで観測されると考えるのが、我々の第一の予想である。
  • 自動的な脳内神経処理を記述するうえでの第二の重要な特徴は、文脈の変調に対する耐性(resistance to contextual modulation)である。すなわち、注意の方向定位の自動性は、それが、実験セットのマニピレーションに対して安定的であることが証明されたときにのみ、強い信頼性を獲得する。
  • これらの予想を検証するために、Pavani and Galfano(2007)と同様のパラダイムを用いて四つの実験を行った。一方で、shadow-drivenな方向定位の時系列を評価するために異なるレンジのSOAを使った。SOAの値は、凝視にドライブされた方向定位を扱った文献に従って、 100、600、1200、2400msとした。実験1の目的は、身体への触覚ターゲットに対する、shadow-drivenな方向定位の時系列を評価することである。被験者は、ターゲットがそれぞれの手の親指に与えられたのか、人差し指に与えられたのかを識別するように指示される。被験者は、影を投影している手とそうでない方の手で、同等の頻度でターゲットが提示される(触覚刺激が与えられる)こと、従って、影が(識別に関して)一切の情報を有していないことについて十分に知らされている。実験2では、影の近くに視覚ターゲットを提示することで、extra-personal spaceにおけるshadow-drivenな方向定位の時系列について検討した。実験3では、視覚ターゲットと触覚ターゲットの双方を用いることで、同一の実験で同時に身体内外の空間の方向定位について検討した。この操作によって、身体の影によって影響を受けた方向定位が、文脈依存のものか否かをテストすることができる。最後の実験において、我々は再度、触覚ターゲットと視覚ターゲットを混ぜたうえで、視覚ターゲットを触覚ターゲットに隣接したpersonal spaceの内部で提示した。この操作によって、personal spaceの中の影による方向定位効果がターゲットのモダリティーと無関係に生じるのか、身体への触覚にのみ選択的に生じるのか、について紐解くことができる。

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Last-modified: 2015-04-28 (火) 20:06:44 (934d)